akebina


akebinaの家族の話です。
擬人化・少量のBL共に、苦手な方はお帰り下さい。
ULニモドル?


 ねぇ、僕のために死んでくれる? そしたら愛してあげても良いよ。 





Profile main volume present my link memo



Profile ・・・・・ 登場人物
main volume ・・・・・・ 本編
present ・・・・・ 頂き物
my ・・・・・・ 当サイトのバナー
link ・・・・・・ お世話様
memo ・・・・・・ ??????
























Profile




詳しくは、http://www.neopets.com/~mina_x77を参照。



[月光の下の吸血鬼]・・・・・紅夜


[深夜の森に眠る者]・・・・・ジョアン(銀)・紅夜(黒)


[主と執事の事情☆]・・・・・鶉・龍


[主と執事の事情Ⅱ]・・・・・鶉・龍


[ 雨が降る、空が澄む。 壱話 ]・・・・・・時雨・澄


















main volume








――月光の下の吸血鬼――


昔から、その予兆はあった。
その予兆は、満月が近づくとだんだん強くなって言った。
いつからそうなったのか・・・何が原因だったのか・・・分からなかったし、今だってそうだ。
きっと運命だったのかもしれない。
僕が、吸血鬼なのは。


・・・・昔はおとなしい子だったらしい。
仲間の中で一番小さくて、なかなか背もその後伸びなかったから
母が心配していたことは覚えている。
――結局、それ以上僕の背が伸びることは無かった――。
父も母も普通の人で、小さい山奥の農村に家族そろって住んでいた。
僕も、予兆のことは何も言わずに、ずっと居た。
まだ、自分で制御できる程度だったから。
だが、16歳に近づくにつれ、満月が来ると、その予兆は制御できなくなった。
予兆とは、無性に血が、それも生血が飲みたくなることだった。
――このままだと危ない――。
そう思いはじめたのは、16歳になる何ヶ月も前から。
だけど、いくら予兆が制御できなくても、
16歳の餓鬼に何もかも捨てて旅に出る、なんて出来なかった。
そしてそのまま、時は流れ・・・・やがて・・・

「16歳おめでとう!!紅夜!!」

母や友人の浮かれた声の中で、僕は全く違うことを考えていた。
朝から予兆がとまらない・・・。
こんな事は初めてだった。
少しでも気を抜くと我を失ってしまいそうな・・・。
何か無理やり覚醒させるような・・・。
内側から蝕まれていく苦しみに僕は夜まで耐えた。
でも、大事なことを忘れていた。
月光が差し込む自分の部屋に入って、
何気なく月を見てしまった瞬間に後悔した。
闇夜を明るく照らす、死神の影・・・今宵は満月の日・・・悪魔の・・・日・・。
後になってそのことをどんなに悔やんだか分からない。
あの時、月さえ、満月さえ見なければ・・・。
だけど、もう遅かった。
内側からの侵食が一瞬収まった後・・・それは僕の制御できないほどの力で、
僕を内部から破壊し、自我と言うものを失わさせた。

――それからのことは全く覚えてない――。

気がついたら俺は村の中央に居て当たり一面血の海。
僕の両手も真っ赤に染まって・・・・目の前には、村人たちの骸。
僕は必死で自分の記憶を辿っていたその時、
一軒の家の影から小さい女の子が出てきた。
確か、隣の家の子供・・・。

「人殺し。あたし、見てたんだから!!出てってよ悪魔!!
この村から出てって!!・・・・あたしのお母さんとお父さん帰してよ!!」

最期の方は泣きながら、女の子は大きな声で叫んでいた。

「人殺し!!悪魔!!」

その声が大きく反響しながら僕の中で響いた。

――人殺し・・・・悪魔――
確かにそうだと気がついた僕は、もう全てを失ったことにも気がついて。
だったらもう希望をかけるのもやめようと。
もう汚れきったほうがいいと。
そう思って。
・・・・目の前に居た女の子は僕の牙にかかって死んだ・・・。



それから僕は村を出て、旅に出た。
目的地も、行く当ても、無かったけど、自分で壊した世界に比べれば、ずっと良いと思った。
その時は、死にたかったんだ。こんな自分を許せなくて。
でも、結局生き永らえてしまう。
僕は、世界と違う時を刻むこの身体に付き合って、何処までも行かなければいけないらしい。
それが僕の犯した罪を贖うたった一つの方法。
今はもう、段々と意味を失っていく世界の中に入るのは難しい。
だから僕は人の幸せを壊す。
短い一生を足掻いて過ごす人間を見るのは――・・・・。
弱くて痛々しくて,昔の自分と重なるから、嫌いだ。
だから僕は人間が嫌いだ。
どうせ、何も手に入れられないのに足掻くから
だから僕は――・・・・。


目が覚めると、日が辺りを優しく照らしている。あの日から、僕に日は突き刺さる。


何時かは僕を置いていってしまうから・・・・・人間は、嫌いだ。



・・・・and that all?・・・・

この作品は当サイト開設のきっかけになった作品です。
紅夜の過去話を唐突に書きたくなって、書いたんですが、書いたあとはしばらく擬人化紹介のページに載せてたんですよ。
それじゃあ駄目かなーと思って可愛そうなんで他の子のも書きたくなったし、
僕と狼のほかにこのサイトを開設しました。













―――深夜の森に眠る者―――



「俺の血で助かるんなら、助けてやる。」

銀色に光る人影が黒の陰に近づく。

「そう?・・・・なら・・・。」

今度は黒の陰が銀の陰に近づき、首筋に牙を立てた。
金の髪が月光に煌く。深紅の血がそれを彩っていた。

「じゃぁ、契約成立だね。」

真っ赤に染まった唇で少年は笑う。
蒼の瞳はそれを捉えて、頷いた。

「あぁ。」

月光の下で2つの噛み跡から流れる血が、不気味に光っていた。


もう2度と、セカイは持たない。一度、自分で世界を壊してしまったから。
そう思っていたけど。
でも、此処まで着たらもう、引き返せない。
俺は契約をしたから・・・・・。
吸血鬼と巡り合うなんて、そんな奇跡みたいな幸運を、喜んで良いのか俺には分からなかった。
結果的に、これで又俺は生き永らえる事になるから。


――何処にでもある平穏なムラだった――。
今では生き残りも少なくなった"エルナ"・・・・別名、森に眠る者のムラで俺は生まれ育った。
俺もエルナで、長の家系だった為か、圧倒的な力を持っていた。
俺はムラの老人達の言うことなんか聞かない子供だった。
ムラを出て、ソトの子供たちと出くわしてしまうこともあった。
さすがに、記憶を消して逃げることだけはしたが。
そのせいだったのかもしれない。俺がムラに旅人を受け入れてしまったのは。

始まりは当たり前のことだった。
俺が他の奴らと一緒にムラ周りの見回りをしていると旅人が一人、倒れていた。
村に帰ってその事を長に報告すると、その旅人は意識の無い内に麓のソトの村に運ぶことになった。
代々そうしてきた。ムラに旅人は置かない。それが掟だった。
昔から在り過ぎて理由が分からなくなっていた。
旅人をムラに入れずに追い出すようで、俺は嫌だった。
だから反対した。
村の老人達の反対を押し切り、俺は意見を通した。

後はお決まり。
意識を取り戻した村人は、すぐに麓の村に逃げ、このムラの話をした。
その頃政府は強い戦力となる、魔力の高いものを求めていた。
金になると、思ったんだろう。
実際その旅人は多額の報酬をもらったようだ。
政府の役人どもは俺達のことを強制的に捕えに来た。
俺達が全く抵抗のしない無力な兎か何かだと思っているようだった。
冗談じゃない。
役人どもは全く力の無い奴らだったから俺達は追い返した。
すると、次にはいきなり軍隊を引き連れてきた。
弱い奴らでも、束になるとキツイ。
捕まりそうになった俺達は、捕まるものかと必死の抵抗を試みた。
すると、奴らはいきなり攻撃してきた。全力で。
どうやら、不穏分子なりうる俺達は抵抗するなら抹殺しろ、と言われていた様だ。

最後に俺を庇ってくれた父上は目の前で殺された。
家族も、何もかも失ったときに、軍の宰相は笑った。
何もかも失った俺を嘲笑っていた気がする。

ぷつ・・・っ。

何かが切れた.俺の中で何か。
気が付いたときには消えていた。何もかも。
残ったのは、ムラの長に伝わる宝剣・「エル・センニ」別名光。
出来ることなら全てムラとの思い出を無くしてしまいたかったけど、俺のために消えていった命を思うと、捨てられなかった。



そのまま歩いているとあいつにあった。
吸血鬼。
俺と似たような感じがした。
だから助けた。
それだけだったのに。
何故だかな、切るに切れない感じがする。
きっとあいつは分かってたんだろう。
最初っから。
俺が男じゃないって。
でも、もうそんな事はどうでも良い。
俺に出来るのは償い。
当ても無く仲間を探す事。いつ終わるとも知れない旅を続ける事。


何時か俺は許されるのだろうか?

空の彼方
月の森
崩れた希望

この、壊れたセカイの中で。



・・・・and that all?・・・・

これはサイト開設後の第2弾ですね。
紅夜とジョアンの出会いを書きたかったんですが、何故か過去話になってしまい、出会いは適当です。
と言うかこれ自体、時間無い中、書いたんで全体的に過去話も途中省略してるし・・・・微妙です。
何時か修正するかもしれません。













―――主と執事の事情☆―――




「あの・・・・。」
「何だ?」
「この格好って・・・。」
「さっさと言え。」
「・・・・・女の子みたいじゃないですか?」
「あぁ?」

あからさまに不機嫌な声を出したのは、漆黒の髪と紫と黒の色の違う瞳を持つ男だった。

「良いじゃねぇか。」
「嫌ですよ・・・・。」

少々呆れた様に言葉を返すのは、日に反射する赤銀色の髪を持つ、薄い青の瞳の少年だった。

「僕は女じゃありません。」

(今までそれでどれだけ苦労したか―・・・。)
少年は声に出さずに心の中で呟いた。

「って言うか、いい加減にしてください。」
「何がだ。」
「その不機嫌そうな顔です!!」
「・・・・。」

黙り込んだ相手の顔を見て、少年は瞬間的に、
(あ、こりゃまずいなぁ。)
と悟った。そして、来るべき爆発に備え、視線を窓の外にずらした。
案の定、時間を置いて、一旦は収まった怒りがこみ上げてきたらしく、相手は怒り出した。

「てめぇ・・・・朝っぱらから起こされて、お前の買い物に付き合ってやってるのは何処のどいつだと思ってやがる・・・??]

いきなり胸倉を掴まれて凄い形相で捲し立てられた少年は思わず叫んだ。

「―執事なんだから、僕の言うこともう少し聞いてくれたって良いでしょう―!?」
[知るかよ。」
「何が知るかよ、ですか・・・・!!」

あからさまに立場が反対に見えるこの2人、念のため誤解の無いように言っておくが赤銀の少年の方が主人だ。

「いい加減にその手、放してください。龍。怒りますよ。」
「けっ。」

龍はようやく手を放した。
がたん、と音がして車内が揺れた。

「うわっ。」

バランスを崩した鶉は龍の方に倒れこんだ。
思わず受け止めた龍だが、一緒に倒れこんでしまった。

「っ・・・。」
「痛っ・・・。」
「鶉・・・・どけ・・・。」
「あ・・・ごめんなさいっ。」

鶉はバランスを崩して龍の上に乗っかってしまった。

「すぐ、退きますね。」

鶉が慌てて龍から降りようとすると、ぱしっと、龍が腕を掴んだ。

「??」
「お前、足怪我しただろ。」
「あっ・・・。」

鶉でさえまだ気が付いていなかったのだが、転んだときに足を捻ってしまっていたのだ。

「平気ですよ、この位。」

そう言って龍を振り切って鶉は、今しがた邸に着いた馬車から降りようとした。足が、痛い。
その後姿を見つめていた龍はため息をつくと、鶉を後ろから抱えた。

「何するんですかっ・・!!」
「無理すんな。」
「無理なんかしてませんっ。良いから降ろしてください!!」

龍は鶉の言葉を無視してスタスタと邸に向かって歩き続ける。

「龍っ・・・!!」
「駄目だ。」
「命令ですよ!!降ろして下さい。」

暴れだした鶉をしっかりと抑えて龍は怒ったような冷たい瞳で鶉を睨む。
それでも、龍に抱きかかえられたままは嫌だった鶉は必死の抵抗を試みるが、龍が

「静かにしろ。」

と、鋼のように冷たい声で言うとさすがに大人しくした。
邸に入ると龍は鶉を部屋まで運んだ後、何処からか治療箱を持ってきて、鶉の足に包帯を巻いた。

「もう、大丈夫ですよ・・?」
「黙ってろ。」

黙々と作業をする龍を見て、抵抗をすっかり諦めた鶉は黙って座っていた。
綺麗に包帯を巻かれた足を氷嚢で冷やしながら、龍が言った。

「お前が怪我すると俺が困るんだよ。」
「・・・・何で、ですか・・・・・?」

鶉の問いかけには答えずに龍は部屋を出て行った。



鶉の足に巻かれた包帯が窓から差し込む陽に反射して、眩しく辺りを照らし出していた。



・・・・and that all?・・・・

これはまぁ、言わずと知れた(?)僕の影響されやすさがにじみ出た作品です。
要するに神アレサイト巡りをしていたときに書いたんです。
書きたくなって。この作品は丸分かりって感じですね^^;
そこら辺の経緯が。
いやほんと、すいません!!
これからは鶉と龍も胸張ってオリキャラだって言える位2人のキャラ作りしっかりしていきたいです。
この回は突発的に書きたくなってせいで、キャラ作りさえしていない状態で書いたんです^^;
本当にすいませんって感じですね・・・。この話。でも気に入ってるんですよ(コラ
















――主と執事の事情Ⅱ――



「無理すんなよ。」
「大丈夫ですってば。」
「お前は・・・・。」
「何ですか?」
「・・・何でもない・・。」
「そう、ですか。」

鶉が足を挫いてから龍は片時も鶉から離れない。
(何しろ、こいつは無防備すぎる・・・。)
龍はまるで子供の様に蝶を見つめる自分の主に少し不安を感じていた。
何時か誰かに傷つけられてしまわないかと。
そんなことさせない為に龍は鶉を守っているのだ。
傍からでは、全く分からないが・・・。
この邸に訪れる人は必ず龍か鶉、どちらか片方に魅かれてやって来る。
男女問わず相手を引き寄せていることを知らない鶉の無防備さには龍は手を焼いているのだ。
勿論、龍本人はそんな視線は軽く無視している。
まぁ、そこが良いと言う人も数知れず居るのだが・・・。

「うわぁっ。」

ボンヤリと将来を悲観していた龍の耳に鶉の声が聞こえた。
急いで声のした方に向かうと、段差に気が付かずに躓いて泥だらけに成ってしまった鶉が居た。

「えっと、これは・・・。」
「・・・。」
「怒らないで下さいよ?龍・・・。」
「誰がソレ、洗濯すると思ってんだ。」
「あっ・・・。」
「分かってんのか?」
「すっ・・すいません。」
「もう良い。」
「ホントに、すいません・・・・。」

どんどん声が小さくなっていく鶉は無意識のうちに龍から目を逸らしていた。ソレは、
(目を合わせたら雷が落ちる・・・。)
と言う、長年の経験から来る勘で、見事に的中してしまうのだった。
しかし今回はそれが裏目に出てしまったらしい。

「聞いてんのか?」
「はい・・・。」
「じゃあ、何で目を逸らす?」
「それは・・・・。」
「こっち見ろよ。」
「・・・・。」
「おい。」
「嫌です。」
「何で。」

・・・・まさか、「雷が落ちてくるから」とか言える訳が無い・・・・。

「それは・・・。」
「面倒くせぇ。」

龍はそう言って鶉の顔を自分のほうに向けた。しかし、鶉は反射的に目を閉じてしまった。
・・・・ここまで来たら、両方とも意地だ・・・・。

「目ぇ開けろよ。」
「嫌です。」
「良いから開けろ!!」
「嫌です!!」
「てめぇ・・・・。」
「嫌ったら嫌ですっ!!」

しばらくやり取りを繰り返した後、とうとう龍が折れた。

「もう良い。そんなに俺と目ぇ合わせたくねぇんだったら、俺は仕事あるから。お前、独りで帰れ。」

そう言って、広大な庭の真ん中に鶉を独り残して邸に帰ってしまった。

「ちょっ・・・待ってください!!」

しかし、あっという間に鶉は龍を見失ってしまった。
雨が降り出した。
(今、僕は何処に居るんだろう・・・。)
実は広大な邸・庭の全てを把握しているのは龍で、鶉は一人では自分の部屋から龍の部屋まで行くのが限度だ。

「いつも、龍が一緒だったからなぁ・・・。」

とりあえず雨を凌ぐ為に、大きな木の根元に身を寄せた鶉はポツン、と呟いた。
足を挫いているので動けない。
その頃龍は、何時まで経っても帰ってこない自分の主を心配していた。
部屋の中を窓の外を見ながらグルグルと回っていた。
(・・っ・・・・何で帰ってこねぇんだよ・・・。)
ますます強くなる雨音を聞きながら、龍が邸を飛び出すのは、ほんの数分後だった。

「・・・寒い・・・。」

斜めに吹き込む雨に当たり、どんどんと冷えていく身体をどうすることも出来ないで、鶉は待っていた。
誰かが、自分を迎えに来てくれるのを。

「僕って駄目だなぁ・・・。」

(いつでも、誰かを頼っている・・・。)
その"誰か"が、"誰"なんてのは初めから分かっていたけど、その言葉は飲み込んだ。
あんまり期待すると、裏切られたときが怖いから。
昔から、そうだった。
期待すると、裏切られ、裏切られても、期待してしまう。
なのに、人を信じてしまう。
それは大きな欠点でもあり、美徳でもあった。

・・・・昔、僕が龍に

「そんな風になるのが嫌だ。人を信じられなくなるのは嫌だ。」

と僕が言った時、龍は、

「裏切られてもか?」

と聞いた。

「うん。」

と答えると、驚いたような顔をして、それから笑った。
龍が笑うなんてあんまりビックリしたから、しばらくじっと龍を見つめたら、不機嫌そうな顔をされたことを覚えている・・・・。

――そんな事を止めど無く考えていたら、眠くなった――。
その内、雨音はさらに強くなって、鶉を濡らして行った。

「雨・・・・。」

1人で居たくない。雨は・・・・嫌いだ。

『お願い。1人にしないで。』

『気味が悪い。』

『近寄るな。』


思わずびくっと、反応する。忌まわしい記憶。今頃何故・・・。
封印したはずだったのに。なんで。今。
独りが怖い。なんて言えた歳じゃないのに。

「馬鹿みたいだ・・・。」

結局僕は、何時でも――・・・・



雨音が鶉の思考を掻き消した。


木にもたれて小さく丸まっている鶉を龍が見つけたときには、その小さな身体は冷え切っていた。

「馬鹿がっ・・・。」

歯噛みすると龍はあまりに無防備で今にも壊れそうな少年を、自分の主を抱いて邸まで帰った。

(ココ・・・?)
真っ白い高い天井が陽を反射して眩しい。
見慣れた自分の部屋だった。
何処もかしこも真っ白。一点の穢れも無い部屋。
・・・昔から白の間とか呼ばれていた部屋で、何でこの部屋を鶉が使うことになったかは、未だに分からなかった・・・・。

「起きたか。」

凛とした声が響く。誰、なんて聞かれなくても分かった。
この部屋にそぐわない黒い人影。

「龍・・・。」

(あれ・・・?)
起きようとすると、ふらふらする。頭も痛い。

「熱在るんだから寝てろ。馬鹿が。自分の邸の庭で迷う主人なんて居ねぇだろ。普通。」

「ほっ・・・放って置いて下さい!」

「ぼんっ」と、顔を紅くした鶉はそのまま布団に潜ってしまった。

「たくっ・・・じゃぁ俺はもう行くから、何か在ったらそこのベルで呼べ。」

そう言って出て行こうとした龍だったが、服の裾が引っかかって進まない。
解こうとして振り返ると、裾を引っ張っていたのは鶉だった。

「何だ。」

「・・・・・有難うございました・・・・。」
「本当にっ。」


心臓が、止まるかと思った。
自分の主を雨の中で見つけたとき。
昔、出会った頃のように雨の中でずぶぬれで泣いていた子供を思い出した。

『君も、僕を置いてくの・・・・??』

雨と涙で濡れた瞳で鶉は俺を見上げた。
あんまり儚いその姿に俺は柄にも無く、

『今日からは俺が、ずっと一緒だ。』

そう言った・・・・。
ソレが約束。何があっても俺が守らなければいけない――・・・・約束。
今日、それを破ってしまった。今まで一度も破ったことの無い約束を
・・・・・――誓い、を――・・・・。



前よりもっと真っ赤になった鶉は又布団の中に潜ってしまったが、
龍にはそれで、充分だった。
そのまま龍はベットの端に座った。
出るに出られなくなった鶉が困って寝付いてしまうまで、そこを動かなかった。
鶉の寝顔にすっ、と顔を近づけた龍は本当にその時、あまりに幼い自分の主人を守りたいと思っていた。

そんな2人を、激しい雨音が掻き消し、流し去ってしまった。
曇った窓ガラスからは、もう、何も、見えなかった。



・・・・and that all?・・・・

問題作第2弾です!!
やっぱりこれも前作と同じ様な状態で書いたんですよねぇ・・。
最低な作者でごめんなさい。
ココまで書いてるくせに擬人化設定はまだでごめんなさい。
鶉と龍も過去話を絡めたんで、ココから1本話しはさんで「逃走所長」まで行きたいと思ってます。
因みに、ここの話は全部、「血液サンプル」って言う朱雛家全員出演の長編ファンタジーの前置きみたいな感じなんです。
逃走所長でやっと彼らの住む世界を説明できましたー。
まぁ、まだこの回はただ単に鶉と龍の日常ですね。
この次のには澪と由も出したいなーと思っています。


















雨が降る、空が澄む。 壱話





雨が柔らかく降る音が、大きな屋敷の中を満たしていく。
ゆっくりと柔らかに沈黙をより確かなモノにしていく雨の音は突然の足音で崩れた。

「あ―もう、洗濯物干したばっかりなのに!!」

バタバタと、階段を走り降りてくる音。
彼の白い髪がサラサラと揺れて、視界が少し狭まる。
今しがた階段を下りて来た少年は急いで扉から外に飛び出すと、洗濯物を取り込み始めた。



ようやく彼が洗濯物を取り込み終わり、疲れた様子で屋敷の中に戻ると
階段からゆっくりと水浅葱色の浴衣に、橙色の帯を締めた青年が降りてきた。

「大変ですねぇ、澄。」

澄、と呼ばれた少年の整った顔が一瞬硬直する。
次の瞬間、邸に声が響く。

「いい加減、自分の事は自分でやってください―――師匠!!!!」





これは、弟子を溺愛する魔力はずば抜けているくせに日常生活能力の全く無い魔術師・時雨とその弟子・澄の受難の日々を描いた物語である。




「怒った顔も可愛いですね―。」

時雨には全く反省の色は無い。寧ろ、楽しそうだ。
方や澄は顔を赤らめて怒っている。

「そんな事如何でも良いです!!」
「良くないですよ。可愛いですね。」

時雨は――・・・・・弟子の澄を溺愛している。始終可愛い可愛いと言われている割に、
その言葉を時雨から言われるたびに、澄は未だに照れるのである。

それが、時雨の可愛いを連発する原因の一つだとは全く気が付いていない。

「・・・・もう良いです。」
「?・・・・何がですか?」
「これは・・・・っ僕が持っていきます。」

洗濯物の山をズルズルと引きずって行く澄。
華奢で小柄な澄が抱えるにはあまりに大きすぎる洗濯物。
その光景を見て時雨が取った行動は、自分の空腹を満たすためのものだった。

「そんなもの放っておいて、昼ごはん作ってください。」

澄の持っている洗濯物を奪い取ろうとすると、澄はしっかりと掴んでいて離さない。

「ちょっ・・・・は な し て 下 さ い !!」
「無理ですよ。」

離そうとしない澄の手から時雨が強引に取り上げた洗濯物は床に叩きつけられた。

「あぁ・・・・・でも仕方ないですね。さぁ、ご飯を作ってください。」

しれっと涼しい顔をして時雨がそんな事を言うと、澄は邸中に響くほどの声で

「師匠の馬鹿!!!」

と言って、持っていた洗濯物を全部押し付けて階段を駆け上がって部屋の扉を閉めた。





「師匠の馬鹿、ばか、バカ!!」

分かってる。師匠があんな人だって。
日常生活は誰かが気をつけていないと全く出来ない人。
洗濯物は平気で溜め込むし、食事も忘れて食べない事も多い。
昔はお友達の霧雨さん、今は僕が居なかったら絶対に餓死してる。
そんな人だけど、駄目な人だけど、僕の師匠で命の恩人で。
何よりたった一人の家族で。
そして―――・・・・

「澄、外を見てください。虹が出てますよ。」

ノックもなしにいきなり扉を開けた時雨は、そう言った後、急に黙り込んだ。
こういう師匠を見るのは別に初めてじゃない。
師匠は案外不器用で、僕が悪くても喧嘩した後は絶対、謝ってくれる。
そして、その後僕が好きだと言った物を何かしら持ってきてくれる。
この前はたしか苺だった。
時期じゃないのに何処を探してきたんだか..............。

「師匠、虹、見に行きましょう。」

澄はベットから起き上がるとそう言った。
その答えを聞いて時雨は微笑むと

「連れてってあげますよ。」

といって、澄の肯定も否定も聞かずに抱きかかえると澄の部屋の開け放たれた大きな窓から外に飛び出した。

「師匠!!此処・・・・・3階です!!」
「大丈夫ですよ。」

澄は思わずぎゅっと目を瞑るが、何時まで経ってもあの、落ちていく嫌な感覚が訪れない。
そこで恐る恐る目を開けると、其処には―――・・・・・・

「如何ですか?」
「・・・・・凄い・・・・。」

屋敷を囲む目に鮮やかな森の緑、遠くには海と崖が見える。
その海の煌く水面の上にぽっかりと七色の輪が光る。

「綺麗でしょう。"フェアリーサークル(精霊達の輪)"って言うんですよ。」
「綺麗ですね・・・・・・・・・そういえば師匠、何で浮いてるんですか。」
「浮遊の魔術です。」
「・・・・・・・聞いた事も無いんですが。」
「儘螺眼の一種です。」
「そう、ですか。」

・・・・・・澄は、時雨との魔力の差を改めて感じていた。
時雨は政府公認の魔術師の1人。世界で最も魔力の高い6人の中に入る人。
そんな人の弟子に成れたのは幸運だと分かっている。
唯、時々不安になる。
自分は師匠の思う通りの弟子になれているのか、失望されてはいないか。
又、捨てられたりはしないか。

「・・・・澄?」
「あ、はい。」
「何を考えてたんですか?」
「別に何も・・・・・大した事じゃありません。」
「僕は君みたいに可愛い弟子、捨てたりしませんから。」
「え?・・・・何で分かったんですか?」
「大丈夫ですから。ね?」





・・・・・・・・・一体、一体何が"ね?"なのか。
師匠は分かってない振りしてて結局全部分かってて、それで知らない振りしてくれる。
優しい人。分かってる。捨てたりなんかしない、って。
でも、やっぱりちゃんと言ってくれて嬉しかった。





「師匠、師匠。」
「何ですか?」
「・・・・・・大好きです。」
「有難うございます。僕も大好きですよ。」










大好き、大好き。
妖精の輪はゆっくりゆっくり消えていって、雨雲はどこかに消えてしまって、空は澄みきっていた。



・・・・and that all?・・・・

何か時雨のキャラが思ったより馬鹿キャラになってしまったので、最後の方で慌てて澄をピュアにしてみました。
擬人化設定とキャラがズレていて笑いました★
時雨はもっともっと腹黒いんですよ!!
イメージ時雨×澄だったのにちょっとこれは澄×時雨っぽい......。意味分からない方はそのままで。
分かる方はそっと、見なかった事にしてください。






































present 




kuronekobanti13さんより紅夜の詩


バウンド


誰に束縛されているのかも解らず
どこに行くのかも解らない
善と悪の境も不明


心無き非道だって思う
けれど僕は生きてゆくしかない
真実は何? 時間とは?
現実は空回って 運命の糸は響きあう


孤独な太陽は行き先照らせず やわい鼓動だけ聞こえる
いつまで生きられるのだろう 人道に反しながらこの僕は
蒼い月の導くままに 踊らされるのだろうか
それならそれで楽しんでやろう ――人間なんてこんなもんさ


Bound Bound Bound.....




↓kuronekobanti13さんのHP↓














































my





タグは↓

















































link 
(h→★)


thanks!!


→★ttp://suiamamiya.fc2web.com/index.html←
↑background by 戦場に猫



















memo


このサイトには色々仕掛けといっちゃあ何ですが、仕掛けがあります^^;
まだまだ今後も増えていく予定なので事細かにチェックして見て下さい。

①・・・・それぞれの短編の後にある空白部分をあぶり出しすると朱雛のその短編に対するコメントが見れます。
それと、その話の続きの案とかこのサイトについての秘話とか・・・。
とにかく朱雛の呟きで一杯です・・。
時間があったら覗いてみてください。
本当に素の状態で書いたものばっかりです^^;






NEOPETS, characters, logos, names and all related indicia
are trademarks of Neopets, Inc., © 1999-2012.
® denotes Reg. US Pat. & TM Office. All rights reserved.

PRIVACY POLICY | Safety Tips | Contact Us | About Us | Press Kit
Use of this site signifies your acceptance of the Terms and Conditions