『SechsFeder』

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序章:6つの意味を持つ7枚の羽達


ここはネオピアのとある一角にある孤児院。
本家本元の"ネオピア孤児院"とは違う種類の孤児院。
孤児院とは名だけのもの。本当は"モルモット養成所"だった。
そしてその奥は研究室。噎せる位の薬品の匂い漂う場所だ。


近頃その研究所がとても騒がしい。
どうしてだかは"モルモット養成所"のモルモット達も知らない。
知っているのはオーナーと、研究員の奴等だけ。
「・・・・・・」
モルモット達は年齢も種類もさまざま。
まだ喋れもしない子供もいれば、もう成人する子供もいる。
研究員の1人が口を開いた。
「さぁ、君達。今日は選別の日だ。皆、並んで」
子供達はざわめき、そしてすぐに並び始めた。
「今日も・・・だね、來零ちゃん」
「そうだね、紫月」
始めに口を開いたのはブルーループの紫月(しづき)。
憂鬱な顔をしながら來零と呼ばれた子の隣に並ぶ。
答えた來零(これい)はレッドクーグラ。紫月とは双子である。
「並んだかい?じゃあ始めようかな・・・まずは、~~」
知らない名前の子が呼ばれた。上手くは聞き取れない。
段々自分の番が近づいてくる。
緊張で心臓がバクバクする。怖い、恐い、コワイ・・・!
「來零、来なさい」
「來零ちゃん・・・」
「大丈夫。紫月とはずっと一緒だからさ。ボクは何処にも行かないから」
「・・・うん・・・」
涙が出そうになる。しかし此処で涙を見せてはいけない。


「・・・っほぉ・・・ッ!!」
あちら側で歓声が聞こえた。
少し年齢の過ぎた、しわがれた声。
「つ、次。紫月来なさい」
「ッ・・はい」
遂に自分の番だ。カタカタと歯が鳴る。やはり怖い。
目の前に研究員の顔が近づく。
奥に連れて行かれた時、來零の姿は無かった。
『ボクは何処にも行かないから』
來零がさっき言った言葉が虚しく頭の中を木霊する。
「・・・服を脱ぎなさい」
研究員の言う通りにして白のワンピースを脱ぐ。
「君、早くその電極を。肩甲骨辺りに当てて」
「は、はいっ」
背中に冷やりとした物が当たる。
顔をしかめた。気持ち悪い感触のゼリーがぬるぬる塗られた。
もう嫌だ。そう思っていた矢先、
「おぉっ・・・、これは凄いデータだ。k444363よりも適応出来るかも知れんな」
何かを表すモニターを見ながら研究員は言う。
『適応』その単語の意味はわからない。
殆ど教育を受けていない為か研究者の話も意味が分からなかった。


突然、腕に小さな痛みが走った。
それは、麻酔のようだった、もう、意識が無い――――――










1章:適応する子供達


この世界は本当に広い。
大きな町が幾つもあり、見た事の無い所が多くて―――
何度訪れても新しい経験がある。
今の家庭にも満足していた。とても大家族で、皆個性的。
お友達も何人か出来ていた。仲良しの子とはたまに家で会っている。
ちなみに今日も会う約束をしているのだった。
彼女(その友達は女の子なのだ)が家に来る前にお茶菓子を探してこのセントラルに来ていた。
「うーん・・・何がいいかなぁ。お茶飲むんだしお茶入りのクッキーはなぁ・・・」
顎に手を添えながらチョコレート・ファクトリーの中で紫月は悩んでいた。
「あのぅ、ちょっと?いい加減早くして下さいませんかね。お客さん」
「えっ、あっ、ごめんなさい。ちょっとまだ悩んでいるので・・」
「じゃあもう少し後ろで見ていてもらえるかな!列がつっかえているんだっ」
店員の怒声を浴び、紫月はすごすごと後ろの方へ下がっていった。
店員が怒りを露わにしたのも理解出来る。
ショーケースの前に長時間張り付いている癖に、全然買う気がないように見える。
それでもまだ紫月は悩んでいた。
ありきたりのクッキーやチョコではいけないと思いたったのが始まりだったが、
余り予算を持っていないのを忘れて、家を飛び出してきていた。
しかもこの家は分家で、殆どは本家からのお金でホテルに入っていたので、皆殆ど手持ちのお金なんて持ってなかったのだった。





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