ストーリー・コンテスト - (アート・センターに戻ります) | (印刷用はこちら)


ストーリー61
ストーリー62
ストーリー1

日本語のストーリー・コンテストは、2008年12月を持ちまして終了しました。

ストーリー62は12月8日(月)に終了しました。

「一体なんなんですか!?僕をいきなり空色に塗ったり、こんなヘンテコなヘルメットやらいろいろ僕に着せて!」

「ちっ・・・やかましいぞヴォルテクシス。ジェランの命令だ。大体お前のために空戦部隊用のロケット装備が用意されること自体おかしいんだ。俺はお前を認めてない。大体お前がオレの部隊についてこれるわけないだろうが・・・」

「空戦部隊についていく、ですか?僕、何も説明受けていませんよ!何かの間違いですよ、カスル大佐!」

「そりゃそうだ、オレだってついさっき通達を受けたばかりだ。お前は外をほっつき歩いてたから連絡が届かなかったんだろうよ。スカール王やジェランに気に入られてるんだかなんだか知らねーけどよ、明日の作戦でオレの部隊の足引っ張ったら、オレがお前を空から叩き落すから覚悟しとけよ。」

「は・・・はい・・・?明日の作戦?」

ここはメリデル城内の戦闘準備区域の一室。ずっとブルー・カラーだったヴォルテクシスに、本人の承諾なしに有無を言わさずいきなり空色ペンキを塗った。そして何のことだか分からず困惑しているヴォルテクシスに、部下がロケット装備を装着したのだ。

「カスル、ヴォルテクシスにもう少し敬意を払って接したらどうだ。一応少尉に昇格したんだぞ。」

「ジェラン大佐!」

「へっ、少尉っつったら下士官に毛が生えたようなもんじゃねぇかよ。大佐のオレがこいつに話をしなきゃいけないだけでもオレは理解できねぇな。」

「まぁそういきり立つな。今回は特別だ。それにお前ももっと大佐らしくしたらどうなんだ。お前を見てると下士官の方がよっぽどしっかりしてるように見えるぞ。お前のその幼稚な態度を見たら部下は離れてしまうぞ。」

「なっ!て・・・めぇ!」

「隠密作戦だ。」

ジェランはカスルの赤くなった顔をサラリと無視し、ヴォルテクシスに顔を向けた。

「ヴォルテクシス、すまんな突然こんなことになって。今回の任務は少々複雑な事情をはさんでいるので、作戦自体が秘密なんだ。だからお前には最後まで連絡が行かなかったんだ。敵を欺くにはなんとやら、と言うからな。」

「複雑な事情・・・ですか。それで、今回のその隠密作戦とは一体何なんですか?何があったんですか?」

作者 : ネオペット・スタッフ
日付 : 11月5日
「ダリガンがまたよからぬことを企てようとしているとの情報が入ったのだよ。その真実を確かめに行き、事実ならばダリガンの指揮軍を捕縛するのだ。」

「ダ、ダリガンですか!?そ、そんなの無理ですよ~」

ヴォルテクシスはダリガンを想像しただけでブルブルと震え上がっています。

「ははは。そんなに怯えることはないよ。そのためにカスルの部隊も付いている。それに反勢力は一部だということだ。安心したまえ。」

「まったく、こんなやつを連れて行ったらすぐにダリガンの警備のやつらにばれちまうよ!」

カスルはぶつぶつと文句を言いましたが、ジェランは気にしません。

「さあ、明日は忙しいぞ!準備を終えたらよく睡眠をとるといい!」

ジェランにそう薦められたヴォルテクシスは自分の部屋に戻って明日着ていく鎧を磨きだしました。

「ふ~鎧は磨き終わったけど、なんだか眠れないや・・・ん?あの音はなんだろう・・・?」

外からバサバサと言う音が聞こえ、ヴォルテクシスは窓を開けて外の様子を伺いました。

「ん~?誰かな?影しか見えないや・・・あ!ターマクルスに近づいてく・・・」

外は日も沈み、メリデルの兵士は明日のダリガン偵察に向けてすでに眠っていました。この突然の訪問者に気が付いたのはヴォルテクシスだけだったのです。

「・・・なんでターマクルスに?ちょっと不安だなぁ・・・」

ヴォルテクシスはターマクルスに近づいたものが何なのか調べに行くことにしました。

「あれ?もういなくなっちゃった・・・」

ヴォルテクシスが到着したときにはそこには誰もいませんでした。

「しょがない!帰って寝よう!」

ヴォルテクシスが部屋に戻って布団に潜り込もうとしたとき、外からものすごい雄たけびが聞こえました。

「な、なんだあ!?」

そのとき、場内に緊急放送が流れました。

「ターマクルスが暴れている!兵士は至急沈静に向かえ!!」

作者 : deep_blue_feather
日付 : 11月7日
「・・寝ようと思ったのに。」

ヴォルテクシスは急いでよろいを着て武器を持ちました。

「準備完了!」

そういって、部屋を出ようとしたその時また放送が聞こえてきました。

「ヴォルテクシスは至急メリデル城に向かえ!繰り返すヴォルテクシスは至急メリデル上に向かえ!」

なぜ、自分がメリデル城に呼ばれたかがわからないヴォルテクシスはぽかーんと、突っ立っていました。

「・・・あっ。はやくしないと。」

ヴォルテクシスはひとまず部屋を出てメリデル城に向かいました。

お城につくと何人もの兵隊の出入りが多くありました。

ヴォルテクシスはそれを逆流するように城の中に入っていきます。

しかし、お城に来いとしか言われていないのでどこに行けばいいのかわかりません。

迷っていると一人の女の子が話しかけてきました。

「どうしたの?」

「・・・いや。なんでもないよ。」

「あなたヴォルテクシスでしょ?」

女の子はにっこりと笑います。

「こっちよ。ついてきて。」

そういうと女の子は早足で進んでいきました。

ヴォルテクシスも後を追います。

すると、行き止まりのところに来てしまいました。

「行き止まりじゃないか。」

「・・そんなに簡単に王様のとこに行けるわけないじゃない。」

そういうと、壁をたたき出しました。

五回ほどたたくと壁が開いたのです。

「隠し扉・・・。」

「・・行くわよ。」

「・・まって。君は誰?」

すると、女の子はその質問にこう答えました。

作者 : ponn2
日付 : 11月12日
「言うなれば・・・、王のお付きの者、ってとこかしら、一応。まあいろいろお世話をさせてもらっているからね。・・今回みたいに呼ばれた人を案内したりね」

ヴォルテクシスはまじまじとその女の子を見ました。

どうみても、自分より年下のこの妖精イクシーが、本当に王の周りのことをいろいろ世話するのを想像できなかったのです。

「そういえばさっきから王様 王様って言っているけど、僕はこれからスカール王のところへ行けばいいの?」

「ええ、そうなるわね。待っているのは王だけじゃないけれど」

もう二つ三つ質問をしようと口を開きかけたヴォルテクシスでしたが、女の子がさっさと扉の中へ入っていってしまったため、その機会を逃してしまいました。

さて、肝心の扉の向こうでは・・・、

そこでは、少々眠そうなスカール王がヴォルテクシスの到着を待ち、どっしりと座って・・・
・・・いませんでした。

「総員、整列!・・おいヴォルテクシス、何をしている!早く一番前に並べ!」

突然、壮年のスコーチオの兵士に怒鳴られ、ヴォルテクシスは目をしばたきました。

そこは教室ひとつ分くらいの広さの部屋で、20人ほどの(全員翼のあるところを見ると恐らくは空戦部隊の精鋭であろう)兵達が隊列を組み、出発の合図を粛然として待っていたのです。

王はというと、その隣で手を後で組みながら黙って立っていました。

「なに?何がどうしたの?」

事情がよく飲み込めないヴォルテクシスは、女の子に聞きました。

「出発よ。偵察に出発するの。話には聞いていたでしょう?あなた達の大佐が戻ってきたら、すぐにでも」

ヴォルテクシスにはまだわけがわかりません。

「カスル大佐が戻ってきたら?・・いやちょっと待って。だって偵察は明日のはずじゃないか」

「おいおい、何を寝ぼけているんだ?今の時間を良く見ろ。午前0時10分だ。数時間前からしてみれば立派な『明日』だろ?」

一人のバズの兵が横槍を入れ、ちゃかすのを、先ほどの壮年スコーチオが制しました。

「我々も先ほど召集を受けたばかりだ。どうやらこの騒ぎに乗じて城を出ろということらしい。ダリガン兵がどこかに紛れ込んでいる可能性も否定できないからな。騒ぎでもおきていないと、我々がダリガン城へ向かう事は敵の目には筒抜けと言うわけだ。」

ようやく事情が飲み込めてきたヴォルテクシス。

確かにこの作戦は理にかなっています。でも、(騒ぎを起こしたら『隠密』作戦ではないんではないか?それに夜行くのなら別に空色に塗らなくても良かったんじゃないか)と思ったのは秘密です。

作者 : 8736584
日付 : 11月14日
ヴォルテクシスが気がつけば、部隊は夜のメリデルを空高く飛行していた。

普段はブンブン飛ばしてそうなカスルも今日は静かに羽ばたいている。

「・・・僕、ターマルクスのところに行けばいいんですか?」

ヴォルテクシスが誰にとでもなく尋ねるとカスルの罵声がとんできた。

「やかましい!敵に捕まったらどうするつもりだー!」

ヴォルテクシスは小さな声で慌てて

「すいません。」

というと、地面に目を向けた。ターマルクスがけたたましい声で騒いでいる。取り押さえに加わっているのは、自分の知り合いたち・・・。ジェランが大声で叫んでいる。

「A部隊、連絡をとれ!」

カスルを先頭にした部隊は、悠然とターマルクスを通り過ぎていく。

「・・・え?!」

慌てた声を出したヴォルテクシスを先ほどのバズが冷ややかな目で見た。

「大佐、やっぱコイツにはムリでしょう。」

カスルは、バズに

「やかましい。」

と言った後に同意した。

「オレもジェランに反対したのだがな。」

と小さく言った。と、その時、ヴォルテクシスが大声で言った。

作者 : maple_kaede
日付 : 11月17日
「大佐ッッ!前方に何かが・・・!」

ヴォルテクシスの声にハッとしたカスル達の目に映ったのは武装したダリガン兵の一団だった。

まだかなり遠くをカスルの隊がいる位置とは別の方向を目指して飛んでいる。しかしこちらに気がつくのも時間の問題と思えた。

「む・・・この騒ぎの中、乗り込むつもりだったが敵もお見通しだったか・・それともこの時とばかりに動き出したのか。」

「どっちにしてもココで一戦交えるしかないっすね。」

バズは騒ぐ血を抑え切れない様子で舌なめずりした。

「いや、まだそれは早い。しばらく低空飛行で様子を伺おう・・森、ギリギリまで急降下!」

カスルの声が響くと、隊はまっさかさまに落ちるかの様に降下を始めた。

「ウワワ・・・待ってくださいー」

慌ててヴォルテクシスも慌てて皆に続く。
森の木々ギリギリに姿が隠れる位置で皆はピタリと制止した。
ヴォルテクシスは降下の勢いがあまってしまい、小枝で顔や手の甲に擦り傷を作りながらもどうにか皆と同じ位置にあった。

「敵を偵察。おかしな動きがあれば即攻撃だ。心の準備をしておけ。」

カスルは指示を終えてヴォルテクシスの方をチラリと見た。

「痛たたた・」

と両手で顔を摩るその様子に、息まじりにボソリとつぶやいた。

「どうして・・・」

「はい?・・あ、すみません。今度はもう少しうまく落下します。」

ヴォルテクシスはすまなそうにカスルに頭を下げた。

「いや・・そうじゃない。そのことじゃない。これまでのお前の実績はウワサには聞いて判っている。しかし、なぜお前なんだろうって。お前以上に強いヤツはいくらでもいる。頭のいいヤツもな。しかしジェランはお前が適任だと言い切った。」

「??」

ヴォルテクシスには何のことだかさっぱり判らなかった。

その時だった。

「大佐!ヤツらがこちらに向かってきます!!しかもなにか大きなものを抱えています!・・・一体あれは・・??」

作者 : poline1127
日付 : 11月19日
偵察をしていたバズがカスルの元に戻ってくると、息を荒げながらそう伝えました。

「なんだと!?む…あれは…な、なんてことだ!まさかダリガンがあれを持っていたなんて…」

ヴォルテクシスがカスルの方を向くと、カスルの顔はこわばって汗をかいていました。

「大佐、あれってなんのことですか…?」

「あぁ、お前は知らなかったか。今やつらが持ってるのは以前メリデルに安置されていた、メリデルの周りに張られているバリアの装置だ。大戦後に行方がわからなくなっていたのだが、まさかダリガンに渡っていたとは。。。」

カスルの表情がさらに暗くなり、必死に策を考えようと頭をひねりました。

「くそ!ここで何もせずにいるわけにはいかん!ヴォール!アーニー!俺について来い!」

カスルはそう叫ぶと森の上空へ飛び出しました。ヴォールと呼ばれたスコーチオ、アーニーと呼ばれたテリーも後に続きます。

隊を率いるカスルが敵に向かっていったことで、森に姿を隠していた他の兵も次々と飛び出していきました。 しかし、ヴォルテクシスだけは上空のダリガン兵を森の中から見ていました。

「大佐が言っていた装置…どこかで見た記憶が…?」

ヴォルテクシスは装置のことは全く知りませんでした。ですがどこかで見た記憶があると必死に記憶の糸をたどっていきました。

「そうだ!お父さんの工房で見たんだ!」

ヴォルテクシスの父親は兵士ではなくメリデルの研究員でした。その父の作った発明品こそがこの装置だったのです。

「…あ!!だめだ!その装置に危害を加えたら大変なことになる!!」

ヴォルテクシスがハッと上を見上げると、バチバチ!と言う音がした次の瞬間に大爆発が起きていました。。。

作者 : deep_blue_feather
日付 : 11月21日
「カスル大佐!!」

ヴォルテクシスが大爆発の後に見たものはそれは悲惨なものでした。

敵味方関係無しに無数の黒い影が地上に落ちていきます。

「カスル大佐!!」

ヴォルテクシスが叫び探し回ると飛んでいるのがやっとな状態のカスル大佐を発見しました。脇にヴァールとアーニーを抱えています。

「カスル大佐!大丈夫でしたか?」

「ああ。なんとかな。こいつらがかばってくれたから・・」

カスルは気を失っている二人を優しく見つめました。

「無事でよかったです!しかし何が起きたのです?あの爆発は・・」

「俺にもよくわからない。ダリガン兵に向かっていったらあの装置を持っていたダリガン兵の一匹が・・」

カスルは息を飲み込みゆっくり言いました。

"急に光り始めて爆発したんだ"

「・・やっぱり」

ヴォルテクシスはカスルにも聞こえないくらい小さく呟くと装置を求めて地上に下降していきました。

そして昔、父と装置についての会話を思い返していました。

****

「これは奇跡の大発明だ!!」

ヴォルテクシスの父が変な装置を持っていました。

「父さん・・その言葉聞くの149回目だけど;」

「いやいや、今度こそ本物なんだ。」

ヴォルテクシスの父は興奮してるのか早口にまくしたてます。

「この装置はバリアをつくる機械なんだ。この・・こうだから・・という膜を張るから敵は侵入できない。これでメリデルの平和は保たれるのだ!!」

「へー!父さん凄いね!」

「それだけじゃないぞ!これはこんなに便利なんだから敵に狙われてしまうだろう?だから自己防衛機能をつけたんだ」

「自己防衛機能?」

「そう!敵と認識されたものと接触すると自分で爆発を起こすんだ」

****

父はその装置を作ってから豹変した。
大戦後、装置と共に父も姿を消した。

ヴォルテクシスは信じたくない現実を目の前につきつけられて涙が溢れそうになるのを必死で我慢した。

この装置は"敵"を認識して爆発する。この装置を"ダリガン兵"が持っていた。そして"自分たち"を認識すると爆発する。

それは父が装置を改造したに違いない。つまり父は自分とは敵になってしまったのだ。

たとえ誰かに脅迫され無理やりだとしても・・
敵に捕らえられた父が自分を・・みんなを・・
裏切るなんてヴォルテクシスは信じたくなかった。

だからこそ

真実が知りたかった。

装置が落ちた場所についたヴォルテクシスは驚きのあまり自分の目を疑った。

そこにいたのは・・

作者 : catlove224
日付 : 11月24日
「やっぱりこのB-149機だったのね・・・・・。」

そこに居たのはさっき会った妖精イクシーの女の子だった。

「きっ・・・・・君は・・・・・?」

「私は王に仕える特殊能力部隊、隊長のノルンよ。」

スラスラとしゃべってはいるものの、視線は装置にむけられたままだった。

「B・・・・・149・・・・・・。」

ヴォルテクシスは独り言のように言った。それは、まぎれも無く父の作ったものだった。

「科学者ヴォルティの最高傑作・・・・・・。脅威の破壊力をもって誰も寄せ付けない・・・・・・。」

ノルンは言葉をきった。そして、顔をあげヴォルテクシスを正面から見た。

「あなたの父親が作った・・・。そうでしょう?」

ヴォルテクシスはおどろきのあまり動けなかった。言葉におどろいたわけでは無い。ノルンの瞳におどろいたのだ。

さっきまでのノルンの瞳は深い青色だった。しかし今のノルンはどうだろう。炎のような赤だった。まるで心の奥まで見透かされているようだとヴォルテクシスは思った。

ノルンは瞳を伏せた。それによって呪縛が解けたかの用にヴォルテクシスは動けるようになった。

「そう言えばどうして君がここにいるんだい?」

「ジュラン大佐に頼まれたのよ。ヴォルテクシスの後をつけてくれって。・・・・・・それにしてもあなたって変わってるはね。」

「ジュラン大佐が・・・・・・。そういえば僕が変わっているってどういうことなんですか?」

「たいていは、私の話を聞くとなぜ知っているのかとつめよるものよ。」

ノルンは遠くを見ながら話た。ノルンは多くは語らなかったがヴォルテクシスは言葉の意味が、なんとなく分かった。ヴォルテクシスの脳裏に一瞬、白いサイバニーが思い出された。

「僕は・・・・・・。」

僕は少し前に特殊能力部隊に会ったことがあるんです。まさにそう言おうとした時だった。

一匹の武装したクロークがかけて来た。

「こんな所にいたんですか!ヴォルテクシス少尉!大変です! ダリガンのやつらがせめてきました!」

作者 : reiko1234
日付 : 12月1日
「ここで時間をつぶしてる暇はないわ。行くわよ。装置は誰にも触れない、メリデル兵も、ダリガン兵も。」

そう言うが早いか、ノルンはダリガン兵が襲撃している現場へと向かった。

ヴォルテクシスも後に続こうとしたが、装置のことが気になってその場を動くことができなかった。

(父さん・・・)

ヴォルテクシスは無意識のうちに装置に近づき、手を伸ばしていた。 その時、ヴォルテクシスにはなぜか装置に触れても大丈夫だ、という理由のない確信があった。

(なんだ・・・?温かい・・・?)

ヴォルテクシスが装置に触れると、装置はドクドクと脈打つような温かさがあった。

(父さん・・・)

ヴォルテクシスが頭の中で呼びかけると、装置が光り輝き、不思議な膜に包まれた。
その瞬間、ヴォルテクシスの頭に映像が写りはじめた。

(・・・!?これは、父さんの記憶・・・!?)

その映像は、ダリガンの領地の中で装置に改良をさせられている父の映像だった。

ヴォルティの顔や体にはたくさんの傷があり、とても痛々しかった。

(父さんは、ダリガンに捕まっていたんだね・・・)

映像の中の父に涙を流すと、ヴォルテクシスは映像の一部に父のメッセージがあることに気が付いた。

ダリガン兵には気づかれないよう、しかしヴォルテクシスがこれを見てくれることを信じて、残された言葉だ。

「装置・・・破壊・・・否・・・持ち帰り・・・戦え・・・守りし者・・・助けなり・・・」

ヴォルテクシスは思わず言葉を口に出していた。

「父さん、すぐに助けに行くから。メリデルを救うから・・・」

ヴォルテクシスは装置を抱え、ノルンが向かった方向へ飛び立った。

* * * * * * * *

「ノルン様!これではもうもちません!」

「弱音を吐くんじゃない!くそっ!ブライトベールの兵はまだか・・・」

先にメリデルへと到着したノルンだったが、メリデルが破られるのは時間の問題だった。

「ターマクルスに負傷された兵が多すぎる・・・どうにもならないのか・・・」

ノルンが表情をゆがめたとき、メリデルのバリアが一瞬強まった。

「!?何が起きた!?」

ダリガン兵はその変化に気づきざわめき始めた。

するとその後方から光り輝くヴォルテクシスが現れた。

ダリガン兵はヴォルテクシスに攻撃しようとするが、バリアにはじかれてしまった。

「ヴォルテクシス!!」

ノルンが叫ぶとヴォルテクシスは彼女の前に降りてきた。

「そ、装置が・・・」

ノルンは自分の目を信じられなかった。
装置が持ち主を選び、守ろうとしているのだ。
ヴォルテクシスを、そしてメリデルを。

その後はメリデルの優勢が続き、ブライトベールからの増援もあり、ダリガンの兵は一掃された。

装置の威力は偉大で、ダリガン兵は次々とつかまったが、装置の力はどこか悲しげに泣いているようだとノルンは思った。

ダリガンの幹部に、今回メリデルに攻め込んだ反乱軍を引き渡した後、ヴォルテクシスはメリデル中に祝福された。

あれだけヴォルテクシスを馬鹿にしていたカスルも彼を祝った。

しかしヴォルテクシスはどこか遠くを見つめたままだった。

* * * * * * * * *

あの事件から3ヵ月後、ヴォルテクシスは長い休養を与えられ、自宅で過ごしていた。

周りの人はヴォルテクシスを褒め称えるが、本人はそんなことを気にしていられなかった。

「父さん・・・」

すると、ドアがコツコツとたたかれる音がした。

「はい・・・えっ・・・!!」

ヴォルテクシスがドアを開けると、そこには父ヴォルティが立っていた。

両隣にはカスル、ジェランもいる。

「ダリガンの地下室から見つかった。遅くなってすまなかったな。」

「ただいま、ヴォルテクシス」

ヴォルテクシスは泣いて父に抱きついた。

「おかえり、父さん!!」

それからメリデルを守る装置のバリアは、やさしさと喜びに満ち溢れた温かい光に変わったのだった・・・

~FIN~

作者 : deep_blue_feather
日付 : 12月8日



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